オーストラリアのターンブル首相が、スタッド・ド・フランスでサッカーファンらが、避難しながらラ・マルセイエーズを歌っていたことを「テロリズムに直面した時、自由は自由それ自体のために立ち上がる」と賞賛していた。映像は以下。
もげもげ
2015年11月15日日曜日
スタジアムの正常性バイアス
guardianwitness(ガーディアンが運営している目撃証言を集めるサイト)にパリの襲撃事件の証言や写真があつまっているのだけど、スタッド・ド・フランスの爆発に関する証言が目を引いた。「音が聞こえたけど誰も気づかなかった」「爆竹だとばかり」というのが、目立つ。
劇場とかスタジアムというのは「ふつうじゃないことが起こる場所」で、異常に気づくのが難しいのだな。
My personal testimony of what happened at the Stade de France
劇場とかスタジアムというのは「ふつうじゃないことが起こる場所」で、異常に気づくのが難しいのだな。
My personal testimony of what happened at the Stade de France
2013年12月4日水曜日
それを月と呼ぶな
FuniSaya Advent Calendar 2013 4日目です。
昨日はmurase yuta(@murase_yuta)さんの「削って並べて道標」でした。
フルオート射撃が可能な割り箸鉄砲を作れば、クラスの人気者になれること請け合いだが、残念ながら割り箸が家にない。よって書き物をする。書き物(辺見庸『永遠の不服従のために』から「不敬」及び「仮構」)についての書き物だが、書評ではない。あらすじはだいぶ近い。
月が月であるかを疑う男がいた。当たり前だが皆は疑いなくそれを月だというので、しまいには彼は月が月であることを疑っている自分をも疑っていた。別して狂人ではないし、頭も切れるその男が、なんとかという作家か思想家か狂人かよくわからないが公務員であることはまちがいない人の言葉を引用したあとで言うことには、「あれが月でないとしたら、もはや月でないあれを<月>と呼ぶのは怠慢なのだ。だがあれが月でないとなれば、きっとがっかりするよ。だけどあれは奇妙な色をした、置き忘れられた提灯かもしれないんだ」いや、やっぱり狂人かもしれないな。
天には月ではないのに<月>と呼ばれるものがあり、<月>を囲む風景がつくられていく。
その名に値しなくなったものをその名で呼ばなくなることで、失望は確固たるものになる。失望することへの恐れが、月でないものを<月>と呼ぶ怠慢を生み出す。
つくられた風景の中、とうにくたばったものをさながら存命しているかのように扱い、木っ端微塵に破砕されておがくずの山になった木を守ろうとしたりする倒錯した努力が整然と、勤勉に、計画的になされる。それもほとんど例外なく善意に基づいて。リテラシーなるものは、いつもそうであるように、ある体系において記述し理解するものであるから、この場合はもちろんつくられた風景を破綻させず維持することを意味する。滔々としゃべる男を見て、此奴はやっぱりどうかしているのだろうなと思いながら、彼の主張を反芻する。本当にそれだけなのか。
あれが月ではなくこの男が言ったように「奇妙な色をした、置き忘れられた提灯」だとしたら、この男は確かに月がないことに失望するだろうけど、それを聞いた私も失望するだろう。誰も彼も失望して、それどころか彼に反感を持ち、この不逞の輩を罰しようとするかもしれない。
「月に対する君の不遜な物言い、不敬行為に対する私達の懲罰が、君は結局一番恐ろしいんじゃないかね」と尋ねると、彼は「そういえなくもない」と言うと私の目を真っ直ぐ見据え、瞬きひとつせずこう付け加えた。
「しかし不遜にして不敬な者どもを痛めつけるあらゆるものの根源を追い続ければ、最後には私自身に帰着するのだ」
結局、ありゃあ月なのかねえ。
明日は日下部あるるさんです。
昨日はmurase yuta(@murase_yuta)さんの「削って並べて道標」でした。
フルオート射撃が可能な割り箸鉄砲を作れば、クラスの人気者になれること請け合いだが、残念ながら割り箸が家にない。よって書き物をする。書き物(辺見庸『永遠の不服従のために』から「不敬」及び「仮構」)についての書き物だが、書評ではない。あらすじはだいぶ近い。
月が月であるかを疑う男がいた。当たり前だが皆は疑いなくそれを月だというので、しまいには彼は月が月であることを疑っている自分をも疑っていた。別して狂人ではないし、頭も切れるその男が、なんとかという作家か思想家か狂人かよくわからないが公務員であることはまちがいない人の言葉を引用したあとで言うことには、「あれが月でないとしたら、もはや月でないあれを<月>と呼ぶのは怠慢なのだ。だがあれが月でないとなれば、きっとがっかりするよ。だけどあれは奇妙な色をした、置き忘れられた提灯かもしれないんだ」いや、やっぱり狂人かもしれないな。
天には月ではないのに<月>と呼ばれるものがあり、<月>を囲む風景がつくられていく。
その名に値しなくなったものをその名で呼ばなくなることで、失望は確固たるものになる。失望することへの恐れが、月でないものを<月>と呼ぶ怠慢を生み出す。
つくられた風景の中、とうにくたばったものをさながら存命しているかのように扱い、木っ端微塵に破砕されておがくずの山になった木を守ろうとしたりする倒錯した努力が整然と、勤勉に、計画的になされる。それもほとんど例外なく善意に基づいて。リテラシーなるものは、いつもそうであるように、ある体系において記述し理解するものであるから、この場合はもちろんつくられた風景を破綻させず維持することを意味する。滔々としゃべる男を見て、此奴はやっぱりどうかしているのだろうなと思いながら、彼の主張を反芻する。本当にそれだけなのか。
あれが月ではなくこの男が言ったように「奇妙な色をした、置き忘れられた提灯」だとしたら、この男は確かに月がないことに失望するだろうけど、それを聞いた私も失望するだろう。誰も彼も失望して、それどころか彼に反感を持ち、この不逞の輩を罰しようとするかもしれない。
「月に対する君の不遜な物言い、不敬行為に対する私達の懲罰が、君は結局一番恐ろしいんじゃないかね」と尋ねると、彼は「そういえなくもない」と言うと私の目を真っ直ぐ見据え、瞬きひとつせずこう付け加えた。
「しかし不遜にして不敬な者どもを痛めつけるあらゆるものの根源を追い続ければ、最後には私自身に帰着するのだ」
結局、ありゃあ月なのかねえ。
そこでお尋ねしますが、あなたがいま、天皇ないし皇族の身体に関わるテーマを小説に書いたとしたら、その掲載を引き受ける雑誌、あるいは刊行を引き受ける出版社があるでしょうか?(辺見庸『永遠の不服従のために』)
明日は日下部あるるさんです。
2013年7月22日月曜日
2013年7月15日月曜日
貧困・人種マップ
The Atlantic CITIESで、米国のいくつかの都市における1980年と2010年の貧困層の分布を、人種ごとに地図上に示したものが紹介されていた。
Poverty Maps From 1980 Look Astonishingly Different Compared to 2010
この地図を提供したのが都市研究所(The Urban Institute)。人種や貧困などの社会・経済問題を研究するシンクタンクだ。
ここでは、 MetroTrendsという研究者やジャーナリスト、政府職員のために様々なツールや分析結果を提供するプロジェクトを実施している。
その中の一つが、時代ごとの貧困層の分布を人種ごとに示して比較するためのツール"Poverty and Race in America, Then and Now"。
プロジェクトのブログでエンベットコードを提供してくれていたので貼り付ける(本当は単にこれを自分のブログに埋め込みたかったからこんなエントリーを書いている)。
Poverty Maps From 1980 Look Astonishingly Different Compared to 2010
この地図を提供したのが都市研究所(The Urban Institute)。人種や貧困などの社会・経済問題を研究するシンクタンクだ。
ここでは、 MetroTrendsという研究者やジャーナリスト、政府職員のために様々なツールや分析結果を提供するプロジェクトを実施している。
その中の一つが、時代ごとの貧困層の分布を人種ごとに示して比較するためのツール"Poverty and Race in America, Then and Now"。
プロジェクトのブログでエンベットコードを提供してくれていたので貼り付ける(本当は単にこれを自分のブログに埋め込みたかったからこんなエントリーを書いている)。
2013年2月1日金曜日
片山さつきの後援組織が面白い、という話。
平成23年12月31日における総務大臣届出の国会議員関係政治団体であり、平成24年3月31日までに官報告示されたものというのは、総務省のサイトによると全部で849団体ある。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/index.html
さて、そこで片山議員の後援組織の一つである高輪皐月政経懇話会の収支報告書を見てみよう。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/121130/2328200008.pdf
代表は福田八重という人で、平成23年の収入は2円、手持ちの現金は9036円であることがわかる。実質的にはほとんど機能してない団体であろう。これだけなら大して面白くも無いのだが、資産の部を読んでみると、借金をしている。福田晃丈(代表と苗字が同じだ)という人から1400万円ほど借り入れているのだが、遡ると22年に借りたものである事がわかる。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/111130/2343300014.pdf
借りたお金はその年のうちにほとんど使い切っている。家賃がほとんどで、アーキベラゴウとダブリュービイなる会社が支払先になっている。というかこの2社にしか払ってないんだけど。
こんなにいっぱい払ってたのに、翌年の23年には1円も使ってないというなんだかすごく変な動き方をしてるとか、アーキベラゴウは平成24年に破産してるとか、興味は尽きないけれども、本題は1400万も貸して全然返済されてない福田さんのこと。自由民主党同志会(http://www.jimin-doushikai.jp/)の会長さんと同姓同名である。
自由民主党の院外団(知ってる人なら「院外団」と聞いた瞬間に嫌な予感がするだろう)なのだが、公式には「もう」関係のない組織である。規約をみてみると
ああ、そういう…
ある団体の新年会に参加されたときのことがわかる資料を見つけたので紹介する。
平成20年度 「新春の集い」
ああ、やっぱりそういう…
まあ、偶然かもしれませんね。偶然だといいですね。
- 総務大臣届出国会議員関係政治団体一覧(総務省サイト、PDF)
このリストの「片山さつき」のところを確認したところ、以下の三団体が表示された。括弧内の数字については後述する。
- 自由民主党東京都参議院比例区第二十五支部(1)
- 高輪皐月政経懇話会(2)
- 片山さつき後援会(1・2)
括弧内にある数字は、政治資金規正法第19条の7第1項に基づく区分で、条文はというと
第十九条の七 この節において「国会議員関係政治団体」とは、次に掲げる政治団体(政党及び第五条第一項各号に掲げる団体を除く。)をいう。一 衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体となっている。 つまり上の3つの団体が、片山さつきの後援団体ということになる。国会議員関係政治団体として認められると、これらの団体への寄付は寄付金控除の対象になるなどの利点もある一方、政治資金監査を受けなければならない。政治資金収支報告書は官報で告示され、誰でもその内容を確認できるし、総務省のサイトでも閲覧できる。
二 租税特別措置法 (昭和三十二年法律第二十六号)第四十一条の十八第一項第四号 に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/index.html
さて、そこで片山議員の後援組織の一つである高輪皐月政経懇話会の収支報告書を見てみよう。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/121130/2328200008.pdf
代表は福田八重という人で、平成23年の収入は2円、手持ちの現金は9036円であることがわかる。実質的にはほとんど機能してない団体であろう。これだけなら大して面白くも無いのだが、資産の部を読んでみると、借金をしている。福田晃丈(代表と苗字が同じだ)という人から1400万円ほど借り入れているのだが、遡ると22年に借りたものである事がわかる。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/111130/2343300014.pdf
借りたお金はその年のうちにほとんど使い切っている。家賃がほとんどで、アーキベラゴウとダブリュービイなる会社が支払先になっている。というかこの2社にしか払ってないんだけど。
こんなにいっぱい払ってたのに、翌年の23年には1円も使ってないというなんだかすごく変な動き方をしてるとか、アーキベラゴウは平成24年に破産してるとか、興味は尽きないけれども、本題は1400万も貸して全然返済されてない福田さんのこと。自由民主党同志会(http://www.jimin-doushikai.jp/)の会長さんと同姓同名である。
自由民主党の院外団(知ってる人なら「院外団」と聞いた瞬間に嫌な予感がするだろう)なのだが、公式には「もう」関係のない組織である。規約をみてみると
6.行政機関の不正、腐敗、不作為を徹底的に糾弾、これを是正すること。
7.民間企業及び民間団体に対する糾弾、示威行為は、一切これを行わないこと
ああ、そういう…
ある団体の新年会に参加されたときのことがわかる資料を見つけたので紹介する。
平成20年度 「新春の集い」
ああ、やっぱりそういう…
まあ、偶然かもしれませんね。偶然だといいですね。
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